平成15年度(第12期)
 カラ=西アフリカ農村自立協力会
マリ事業報告

1)水資源確保事業
 15年度は井戸のない3ケ村へ一基ずつ飲料用の手押しポンプ付の深井戸を設置した。全く清潔な水を得ることが出来なくて子どもたちには下痢が多く、女性は一日数回の他村への水汲みが余儀なくされていた。そのための疲労で、流産、出産時の事故が多かったが今後はこれも緩和されると思う。村の財産となった井戸守りは老人が担当している。井戸水は清潔なだけでなく、半永久的に涸れない井戸であり居住地内に設置されたことは、毎日の生活を衛生的にし、女性の労働力を削減し、女性に大人気の石鹸製造や染色作業を可能にする。井戸一基の設置が多くの恵みを一人一人に与えている。しかし、掘削しないと使用可能な量の水の有無が不明であるという問題がある。電気探査を行い地下水脈の存在を確認されても、水量、地下水脈までの深さ(何所まで掘ったら水が出るか)は不明である。カラでは深度90m前後まで掘削しても水が得られない場合は、技術者の判断に任せて掘削を諦め、閉じてしまい他の場所を探すようにしている。深井戸の掘削が始まると村民と毎日一喜一憂する日が続く。

2)保健衛生啓蒙・病気予防事業
  診療所と産院合体型「コニナ村健康の家」が建設され、医療従事者の研修も終了し、6月に診療所が開設し診療や村民への啓蒙活動が始まる。
 ・マラリア予防参加者数73村、参加者数 17、739人
 ・トイレ建設(4ケ村)コニナ村健康の家
 ・腸内寄生虫駆除 
 ・ビデオによる知識普及
 (テーマは、主にエイズと家族計画)
 ・エイズ予防キャンペーン、等を行った
 ・男性への妊娠学習会
 特にエイズ予防キャンペーンで中心となった5ケ村に参加した村民からは、次回開催の要請があった。

3)女性自立支援事業
@適正技術指導・普及
 価格が高くなったカリテの油(石鹸の原料)を購入する為の資金稼ぎとして始まった小規模貸付資金は、貸付期間4ケ月、利息1割である。4ケ月後には全員が確実に返済して利息を納め、女性センターで縫製した衣服や刺繍した日常品の販売、依頼された染色などから得た収入を蓄え、次第に基本金を増やし貸付け対象人数も増えてきた。第一回目は、借りる人をクジ引きで決め、次回になった人は失望し泣いていたこともあったが、現在は全員が借りることが出来るようになった。事業が高利息であるにもかかわらず順調に運営されている理由は、(a)貸付金が1人2,500(500円)で無理のない額である。(b)2,500cfaの範囲で可能な商売は、日常生活の必需品(調味料等)の販売が主でそれが確実に売れている、等が考えられる。この事業以外、砂糖の販売事業を試みた。村民は日常生活で砂糖を多く消費する為当初は好調であったが、価格上昇で収益が非常に少なく、4月末の在庫で終了した。

カラが運営開催している4ケ村の女性活動センターには、5ケ村の女性が積極的に、非常に熱心に技術を習得している。刺繍に熟練した女性の製品は人気が高く個人の収入も上がり、収益の一部をセンターへ蓄え、運営に役立てている。モバ、コニナ、ママブグー、カニカ、ベレニコ村ではスタッフのアワの後継者が育ち、アワが出張しない日は彼女たちが指導している。殆どの女性は収入がなく乾季の出稼ぎが唯一の手段であったが、ここ数年は、このセンターでの技術指導のもたらした恩恵と、他の活動(野菜園からの収入,識字学習で自信を持ったこと)の成果が出稼ぎに行く女性数を減少させた。この状況の変革は村の女性自身が非常によく理解し、活動に熱心に取り組んでいる証拠である。次の表は4女性センターでの12月の製品の販売収入であり各センターで確実に収入を上げている。この収入は縫製による技術料の一部をセンターへ納めるのであるが、同時に個人の僅かな収入にもなる。

A野菜園造成について;平成15年度はサナマニ村とベレニコ村に野菜園が造成され、村の女性たちに非常に活気が出てきた。年度内に手押ポンプ付深井戸、浅井戸、防護柵が終了したが本格的な野菜生産は雨季明けに始まる。

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