運転手のセイドウから聞いた、教育的なチョットした話 村上 一枝
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昨年12月から今年2月までマリ現地へ出張しました。バマコ市にあるカラの事務局からコニナ村へ行く時は,毎回セイドウが運転するカラの自動車で朝7時には出発します。今は村までの行程の半分以上が舗装され、以前に比べとても楽になりました。
彼はクリコロ町に入ると毎回同じ路上レストランの揚げパンとジャガイモの揚げたものを買い私にも勧めます。早朝の出発ですから食事をしないで出勤して来ますので、クリコロ辺りでちょうど8時頃になりお腹がすいてきます。私は日本から持って行ったガムと塩飴を彼に勧めます。これらは、セイドウの好物で特に日本のガムは世界一美味しいと言うので、私もまんざらお世辞ではないと思って毎回買っていきます。
車中では、彼の口からいろいろな情報を知ることが出来ます。
先回は、どんなお金の使い方が生きた使い方になるか、ということを話し合いました。
彼は、「オレはお金を貯めて、子供にちゃんと教育をさせる」と言っていました。セイドウと奥さんのアラマタは、今3人の子持ちですが4人までと決めているようです。そんな折に聞いた村の老人の話をみなさまにもお伝えします。
それは、ある村に非常に働き者の老人がいます(今も元気ですが、カラの活動地域の人ではありません)。
彼はひたすら働いてはお金を貯めています。その貯めたお金をどこに置くか?何に入れているか?
それは素焼きの甕を土中に埋めてその中に貯めているのです。
でも、家の人たちの毎日の食料を買う金が不足しても買ってくれませんし、病気になっても薬も買ってくれないので、家族はとても貧乏です。彼はひたすら貯めこんでいるのです。 近くの人たちは家族からこの老人のことを聞いて知っていました。
ある日この噂を聞いた若者が老人を訪れました。そして「時々、甕からお金を出して空気に触れさせた方がいいよ。そうしないと折角貯めたお金を虫が食べて無くなってしまうよ。」と言ったのです。
若者が帰ってから、老人は早速土中から甕を掘り出しました。「素焼きの甕は、水を通すからかなり重かったろう。」というのがセイドウの推測です。案の定、甕を開けたら水が入って金(お札)がぐしゃぐしゃの状態だったそうです。老人はそれをのばして、並べて陽に干しました。乾いてからまた甕に入れて、今度は彼の部屋に置いたのです。
そんなある日、家に泥棒が入りお金の入った甕ごと盗まれてしまいました。
老人は直ぐにポリスに届け、翌日ポリスが来て「泥棒は捕まえた。でも泥棒がお金の保存方法をあんたに教えたのだから、半分は泥棒へあげなさい。」ということでした。裏で泥棒とポリスはグルだったというのがもっぱらの噂になっているということです。
セイドウは「なんで家族の食料を買わないんだ。だから神が与えた教育だ!」と自分の家族に起こった事件のように怒っていました。地方では多くの人が今でもこのようなお金の蓄え方を続け、甕を使い土の中に保存しているそうです。
これは伝統的なお金の保存方法だったようです。
少し前には、マリのTVで、お金は甕に蓄えないようにと注意していました。 |
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