カラ=西アフリカ農村自立協力会の会報 「からばす」15号から

カラ活動地訪問報告〜人を育てるNGO〜

                   小川 滋子 (高等学校教諭・カラ会員)

  私は以前マリの隣国、二ジェール共和国で青年海外協力隊員として派遣されていた。
 今回『カラの活動をみてみたい』と思ったのは、カラの活動への純粋な興味のほか、改めて「3年半前、ニジェールで自分のしてきたことは何だったのか」を、別の視点から振り返り、探りたいという自分本位な考えからでもあった。
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  バマコ到着翌朝7時半、控えめで優しい笑顔をもつ運転手のセイドウさんとスタッフの大久保さんとトヨタハイラックスに乗り込む。首都らしい風景は15分も走ると、マリ特有の赤土と、雨季でした味わえない目にしみるような緑の風景へと変わった。クリコロで屋台の揚げパンと揚げジャガイモを買い、手づかみで「同じ釜の飯」ならぬ「おなじビニール袋のパン」を分けお腹を満たした。まもなく舗装路からはずれ、内臓の位置が変わりそうな強烈な揺れが続き、この道を今まで何往復もしているカラ・スタッフの皆さんの体力と苦労に頭が下がった。

  活動地を訪問し何より印象に残ったことは、二日目の午後に訪れた村の女性センターでの出来事である。本来その時期には行わないカリテの石鹸作りを見せてくださることになっていたが、そこはアフリカ!!予定の時間より早く到着したためかセンターの鍵は開いていない。西アフリカで活動経験のある私にはこれが「普通」と思っていた。

 しかしそこからが違った。スタッフのアワさんは、女性に指示通りに用意していないことをすごい剣幕で叱り、あっという間に村の女性30名近くをセンターに集め、女性の活動風景を再現させてしまったのであった。これにはカラの支援を理解した素晴らしい人材が育っていたことを痛感した。

 支援する上で大切なこと、それは現地で中心となる人材を選び、育てること。これは当たり前のこと、しかし私は2年間の協力隊の活動でそれができていなかったのかもしれない、と考えさせられた。

 カラを通じて出会った人々は仕事に誇りを持っていた。日本人スタッフに対する信頼感を持っていた。「ムラカミサンコワイ」と片言の日本語で話す中にもそれらは感じられた。この関係はもちろん一朝一夕にできたことではなく、長い年月をかけて築き上げたものだと思う。

 この長い年月をかけ、土地を知り、人を知ることこそNGOならではの強みであり、面白さであるのだろう、と現地を踏むことにより感じることができた貴重な訪問であった。
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